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【ハートケアリング Vol.5】子どもの体に異常が!!広がるロコモディブシンドローム

こどもの体力が低下している中で、今こどものロコモティブシンドローム(以下ロコモ)が増えていると言われています。

今回は、ロコモとは何かやチェックの方法などをお伝えします。

ロコモティブシンドロームとは

骨・関節・筋肉などの運動器の障がいのために、立つ・歩く・走る・のぼるなどの能力が低下する『ロコモティブシンドローム(運動器症候群)』になってしまう可能性があります。

もともとロコモティブシンドローム(以下ロコモ)は、高齢者が寝たきりや要介護になってしまう原因の一つとして考えられていました。

しかし、その予備軍は今、子どもにまで広まってしまっているのです。

こどものロコモの状態 

以下のようなこども達が近年急増しているそうです。

昔では考えられない状態になっていて、様々な問題が生じています。

・片足で立てない

・和式トイレで屈めない

・50mで走って骨折

・布団の上にで転倒して骨折

・眠れない、寝付くまでのスマホ

・口をしっかり開けられない

運動器検診などでも、運動器不全を有するこどもが約半数の値を占めるなど、深刻な現状がデータなどでも示されています。 

スポーツテンカ より

こどものロコモチェック

朝イチ より

こどものロコモチェックをする場合は5つのテストを行います。

それぞれ、別の要素を測定するのでお子さんがいる方は実際に試してみてください。

方法や、わかることなどは何かなど説明していきます。

①両腕を真上に挙げる(上肢のかたさの検査) 

【方法】 

  1. バンザイをするように両手を真上に挙げさせる。 
  2. 左右ともバランスよく耳の横まで挙げることが出来たら合格。 

【考察】
このテストでは、肩関節の柔軟性をみます。

両手が真上に挙がらない場合や左右差がある場合には肩関節の異常や 

筋肉の柔軟性低下が疑われます。

【想定される病態】

 両手が真上に上がらない場合や左右差がある場合には、以下の病態が想定される。

・胸郭・肩・肘などの柔軟性の低下があり拳上位をとることができない。 

・胸郭・肩・肘などの関節に変形や痛みがあるため、腕を拳上位にて保持できない。 

・関節炎、腱板断裂、肩甲骨高位症(スプレンゲル変形)等 

・肩関節周囲の筋力低下のために、腕を拳上できない。腋窩神経麻痺、分娩麻痺(腕 神経叢麻痺)が考えられる。 

②手首を上下に動かす(手首の固さを見る)

【方法】

  1. 両肘を伸ばして、手首を反らすように上下に動かす。 
  2. 手首がしっかり反れたり、スムーズに動かせれると合格

【考察】
このテストでは、手首の柔軟性や巧緻性をみます。

場合や左右差がある場合には手関節の異常や筋肉の柔軟性低下が疑われます。

【想定される病態】

 両手が真上に上がらない場合や左右差がある場合には、

  • 手首の運動性の低下
  • 手関節の関節異常
  • 手関節が硬いので、転倒して手をついた時に骨折などの怪我に繋がる

などが起こります。

③しゃがみ込み

【方法】

  1. 肩幅に脚を開かせる。
  2. 深くしゃがみ込ませる。 
  3. しゃがみ込んで踵を浮かせず、後方に転倒せずできたら合格。 

【考察】 

このテストでは、股関節・膝関節・足関節の柔軟性をみます。

特にアキレス腱の伸張性 の低下が著しい場合に、このテストが不可になりやすい。 

【想定される病態】 

しゃがみ込みは股関節屈曲、膝関節屈曲、足関節背屈による、複数の関節を連動させて行う動作です。

しゃがみ込みができない場合には以下の病態などが想定されます。

  • 殿筋群の柔軟性低下による股関節屈曲制限がある
  • 大腿四頭筋など大腿部筋の柔軟性低下による膝関節屈曲制限がある
  • 腓腹筋やヒラメ筋など下腿部筋の柔軟性低下による足関節背屈制限がある
  • 脳性麻痺、外傷後が考えられる。 
  • 大腿骨頭すべり症、ペルテス病、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)等のスクリーニングとなる。 

④前屈して床に指がつくか(下半身の柔軟性)

【方法】 

  1. 両足を肩幅に開く
  2. 両膝を伸ばしたまま床に手をつけに行く
  3. 指が着いたら合格

【考察】
このテストでは、下半身後面の筋肉の柔軟性をみます。

両手の指先が床につかない場合は、もも裏(ハムストリングス)やお尻などの下半身後面の筋肉の柔軟性の低下が考えられます。

【想定される病態】

 手が床に着かない場合には、以下の病態が想定されます。

・股関節や膝関節などの柔軟性の低下があり膝を伸ばして前屈をとることができない。 

・後面の筋肉が硬くなることで腰痛をまねきやすい

・成長期では腰椎ヘルニアや腰椎分離症などの怪我に繋がる。

⑤片足立ち(身体のバランス検査) 

【方法】

  1. まっすぐ立たせる。
  2. 片足立ちをさせる。
  3. 浮かせた膝を 90°に曲げさせる。
  4. バランスを崩さず、5秒以上保つことが出来たら合格。 
  5. 反対も同様に行う。 

【考察】
このテストでは身体のバランスをみます。

腹筋群や下肢筋群の筋力が弱いとバランスを保つことが難しくなります。 

右足はできるが左足ができないなど、左右での差がある場合は、左右の足の筋力に差 があることなどが疑われます。 

【想定される病態】 

バランスを保てない場合は、以下の病態などが想定される。 

  • 足底・足趾、足関節・膝関節・股関節・脊椎の変形や痛みがあるために体重を支持 できない。各関節の関節炎、単純性股関節炎、足部疲労骨折、下腿疲労骨折等下腿 疲労骨折、大腿骨頭すべり症、ペルテス病、発育性股関節形成不全(先天性股関節 脱臼)等が考えられる。 
  • 足関節や股関節など下肢の筋力低下あるいは運動失調があるために、片足で体重を支持できない。 
  • 下肢の柔軟性低下や立ち直り反応不良があるために、体の位置や重心の位置を修正 できない。 

以上のように簡単なチェックですが、様々な要素がわかります。