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【ハートケアリングVol.6】心臓の役割と構造

MSDの「ハートケアリング」メソッドのハートはもちろん心臓の事。

ここでは心臓の基本的な構造や役割についてまずはお話します。

心臓の構造 

ttps://medical.jiji.com/medical/012-1001

心臓は、その人のにぎりこぶしほどの大きさの臓器で、4つの部屋から出来ています。

中にはそれぞれを仕切る壁があって、肺に血液を送る右心系(右心室、右心房)と、全身に血液を送り出す左心系(左心室、左心房)があります。

役割でも分けられ、全身あるいは、肺からの血液を受け入れる部屋(右心房、左心房)と、血液を送り出す部屋(左心室、右心室)に分かれます。

それぞれの心室の入り口と出口には、血液が逆流を防ぐ為の弁があります。

左心室の入り口の弁が僧帽弁(そうぼうべん)、出口の弁が大動脈弁、右心室の入り口の弁が三尖弁(さんせんべん)、出口の弁が肺動脈弁です。

心臓を介する血液の流れ 

http://www.jfmda.gr.jp/kikaku/03/index.html

全身を回った静脈血は右心房に集まり、三尖弁を通って右心室に入ります。

右心室から肺動脈弁を経て肺に送られ、肺胞壁内を流れる間に鮮紅色の動脈血となり、肺静脈から左心房に戻ります。

次に左心房から僧帽弁口を経て左心室に入り、左心室から大動脈弁口を経て、ふたたび全身に送り出されていきます。

心臓の筋肉

心臓の大部分は心筋と呼ばれる特殊な筋肉からできています。

血液を受け入れる心房の壁は薄くなっており、血液を送り出す心室の壁は力強く収縮できるよう厚くなっています。

右心室よりも全身に血液を送り出す左心室の壁のほうが特に厚くなっており、この強い収縮によって大動脈の血圧は高く保たれます。

脈拍と心臓、病的な心臓

心臓は安静にしているときにはだいたい1分間に60~80回、規則正しく収縮して血液を全身に送り出しています。

そのたびに大動脈内の圧力が高まり、その波が体の末梢(体の手足など心臓から遠いところ)に伝わります。

この波を脈として、触ることが可能です。

体で触れれるのは、手首や頸動脈、両ひじの屈側(折れ曲がるときの内側)にある上腕動脈、足の付け根に触れる大腿動脈などで触れます。

脈によって心臓の収縮する回数、収縮が規則正しいか不整かがわかり、また血管の固さや血流の量なども知ることができます。

体を動かす際、活動する組織や細胞にさらに多くの酸素や栄養が必要となります。

その場合は普段より多く血液を供給しなければなりません。

このため健康な心臓では、収縮する回数が増える際に1回に送り出す血液の量を増やします。

そうすることで心臓は安静時の何倍もの働きをします。

ところが心臓の病気などにより、心臓の収縮する力が落ちてくると、必要なだけの血液を送り出せなくなります。

このため心臓は部屋を大きくすることにより、1回に送り出す血液量を保つようにします。

病的な心臓では“拡張”することにより、低下した収縮を補って力を出しています

また血圧の高い人の心臓は、常に強い抵抗に向かって血液を送り出さないといけません。

この状態が長く続くと心臓の筋肉の壁が厚くなってきます。

これが心臓の「肥大」と呼ばれています。

心臓は「肥大」や「拡張」することで日常生活に耐える状態を続けています。

しかし、肥大し過ぎたり、病状が進んで心臓が耐えられない負荷が続くと、心臓は十分に血液を送り出すことができなくなり、やがては心不全や危険な不整脈で生死に関わる病気へと移行します。

刺激伝導系

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心臓が一定のリズムで規則正しく収縮し続けるために、心臓には電気の回路に相当する、心筋の興奮(電流)を伝える「刺激伝導系」という組織が備わっています。

【刺激の順番】

  1. 右心房と上大静脈との境界近くにある洞(どう)結節と呼ばれる司令塔から電気刺激が出される
  2. 電気の刺激が、まず心房を収縮させ、心室との境界にある房室結節に伝わります。
  3. 次に、遅れてヒス束(そく)を通って左右に分かれ、右心室にいく右脚(うきゃく)と、左心室にいく左脚(さきゃく)にそれぞれ電気刺激が伝わり、左右の心室を同時に尖端から収縮させます。
  4. この刺激の流れを1日に約10万回くり返しています。

司令塔である洞結節は、外部からの刺激を受けなくても自動的に固有のペースで電気的刺激を出しています。

この洞結節をはじめ刺激伝導系のどこかに障害が起こったとき、あるいは刺激伝導系以外のところから余分な電気刺激が出されたときに、様々なタイプの不整脈が起こります。

冠動脈(心臓への血液供給)

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心臓は常に収縮して血液を送り出し、全身に酸素と栄養分を供給しています。

24時間休むことなく収縮する心臓。

それだけ耐えず頑張っている心筋そのものにも多くの酸素と栄養分が必要となります。

心臓から出た大動脈は、最初に心臓自身に血液を送るための血管を送っています。

これが冠動脈(冠状動脈)です。

冠状動脈は左右2本あり、それぞれがさらに枝分かれし、心臓全体をおおって心筋などの組織に血液を供給しています。

左冠状動脈はすぐ2本に分かれ、1本は心臓の前面を下りおもに左心室の前面(前壁)と側面(側壁)および心室中隔(左右の心室の間にある壁)に、向かいます。

もう1本は左から心房と心室の間を通って心臓の後面に向かい、おもに左心室の側壁と後壁に血液を送っています。

左冠状動脈は左心室へいく血流の約3分の2を占める重要な血管です。

特に2本に分かれる前の部分は“左主幹部”といわれ、もしここがつまると致命的になります。

 右冠動脈は右から心臓の後面に向かっていますが、おもに右心室全体と左心室の後壁に血液を供給しています。

これらの枝同士は普通繋がっていませんが、どこかの枝がつまりかけて流れが悪くなると、ほかの枝から自然のバイパスができ血流を補うこともあります。

心筋全体を養った血液は静脈血として大部分が冠状静脈に集まり、右心房に戻ります。

血液循環 

心臓から全身の組織のすみずみまで血液を送り込み、同時に全身から血液を集めて心臓まで戻す(循環させる)装置が“循環器”で、その源に心臓があります。

 組織が生きていくためには、肺から吸収した酸素と、消化器から吸収した栄養素、内分泌腺から出るホルモンなどが必要であり、また、組織の中に生じた炭酸ガスと老廃物(不要になったもの)を体外に排出する必要があります。これらの物質を溶かして運ぶのが血液で、その血液を動かすのが“循環器”です。

 心臓はおもにポンプのはたらきをして、血液を動脈に押し出し循環させます。この動脈血の一部は、消化器の壁を通り栄養分を吸収します。あるいは腎臓を通って老廃物を尿として捨て、また肝臓を通って有毒物を中和し、肝臓でつくられたたんぱく質などを受け取ります。動脈血のほとんどは細動脈、毛細血管を通して全身の組織・細胞に分布したあと、酸素や栄養分を失い、炭酸ガスや老廃物を取り込んだ赤黒い静脈血となり、毛細血管、細静脈を通して静脈に集まり、ふたたび心臓に戻ります。これが“血管系”です。血液はこの心臓血管系の中を循環します。

血液循環は、このように心臓を中心とした精巧なしくみによって、生命を維持するための重要な役割を果たしているのです。