バレエにおける正しい立ち姿勢

クラッシックバレエにおける基本中の基本。

正しい姿勢で立つことを学びます。

これが出来なくてはバレエになりません。

1.基本の正しい立ち姿勢(パラレルポジション)

まずはバレエの6番の立ちポジションを行ってみましょう。この6番はクラシック・バレエの正式なポジションではないものの、レッスン時に耳にする事があります。

1-1.方法

両足を揃えつま先を正面に向けてます。

身体を引き上げて足裏全体を使って立つこと、両足の間の隙間が無くなるようお尻や内太ももを締めて密着させる意識で行います。

1-2.足の位置

両足を平行に置くことから「パラレル」と呼ばれています。

1-3.パラレルポジションで体全体のバランス確認   

左右どちらかの脚に重心を置くことはせず体の中心を意識して立ちましょう。

①骨盤は、極力、水平を保ちます

②足を揃えて中心に立つ事が出来たら、骨盤をまっすぐ立てる。

③脚の付け根の上に腸骨の一番高いところ、踵の上に尾てい骨、恥骨のすぐ上(丹田)をひいてからウエストの後ろ、耳の後ろを天井の方に引っ張って立つ。

感覚としてはお腹を引っ込め、お尻の穴を締めるように力を入れる。

④アゴを軽く引き、体の横に付けた両手の平を前へ向けながら肩甲骨を背骨へ引き寄せる。

これで背筋が伸び、頭も正しく背骨の真上に位置します。

身体の中に1本の軸が通っているようなイメージです。

2.足の位置以外の大切なこと

ここでは1~5番ポジションと様々な足の位置が各ポジションに入っていればよいというものではなく、足以外の部分も含めて全身がトータルで整ってこその1~5番ポジションです。

1~5番ポジションに共通する、足の位置以外に意識すべきポイントを挙げておきます。

全身の引き上げ

頭のてっぺんを真上から糸で引っ張り続けられているような感覚を持つようにします。

それにより背中がまっすぐ(前に丸めたり後ろに反らし過ぎたりしない状態)になり、首も長い印象になります。

アン・ドゥオール 

脚の付け根から足先まで外側へ向ける状態を指すアン・ドゥオール。1~5番ポジションもアン・ドゥオールを用いますが、無理に足先を広げようとして足裏の裏が床から離れないように心がけてください。

○上半身

デコルテ・背中は広くしましょう。肩を前に丸めこんだり、首・腕・肩は力んで硬くしないようにしてください。上半身は柔らかく、肋骨が開いていかないよう締める感覚を持って行ってください。

重心

前後左右いずれかに偏らず、均等になるように意識してください。全身を引き上げつつも、足裏全体はしっかり床を押す感覚を持つとバランスが取れます。

3.足のポジション

バレエのポジションは1番~5番まであります。

それぞれ、基礎となる足の位置ですので理解して実践してみてください。

1番ポジション

左右の踵をつけて股関節から足先を開きます。

出来るだけ外側に向けますが、始めはあまり無理して広げ過ぎないようにしてください。

理想は両足が外側に開き一直線(180度)となり、両膝と内腿が密着し、隙間が無い(向こう側が見えない)状態です。

上部から順番に(お尻⇒内腿⇒膝裏と)密着させようして、両足が外側に開いている状態の結果が1番ポジション、という意識をすると股関節の動きをイメージ出来、膝などの負担になりません。

2番ポジション

1番のポジションから踵を肩幅と同じ位に開きます。

1番との違いは足の幅です。両かかとの間に足の長さ位の幅を空けて立ちます。

重心は両足に均等にかかっており、両脚と床のラインで二等辺三角形ができているポジションです。

両脚の間には空間があるものの、「お尻・太ももの内側・膝の裏・ふくらはぎ」を、「両側から・均等な力で・密着させようとする」意識が必要なことは、1番ポジションと変わりません。

3番ポジション

1番のポジションから片足を前に出し踵を反対の足の土踏まずにつけます。

図のように前の足のかかとを後ろの足の土踏まずあたりに置き、足を半分クロスさせるのが3番です。

後述しますが、前の足のかかとを後ろ足のつま先まできれいに重ねると5番ポジションになります。

4番ポジション

3番のポジションから片足を足の横幅1つ分くらいを前に出します。

足は5番ポジションを足の長さぶん位の感覚を空けて前後に広げ、正面から見たときに両足それぞれの踵とつま先のラインが同一線上になるのが4番ポジションです。

重心は前後の足の真ん中にあり、骨盤は前後左右にねじれることなく正面を向いていなければなりません。

骨盤がねじれてしまいがちなポジションです。

また、アン・ドゥオールの意識が膝から下だけに集中してしまいがちですが、お尻・内腿をより意識してターン・アウトし、お尻が出てしまわないように意識しましょう。

5番ポジション

1番のポジションから片足を前に出し踵を反対の足のつま先につけます。

図の通り、両足それぞれのかかととつま先のラインが同一線上にくるまで脚を交差させたポジションです。

アンドゥオールがしっかりできていれば、上から見下ろすと両足は「=」のように平行になります。4番と同様、骨盤は前後左右にねじれることなく正面を向いていなければなりません。また、膝が緩みがちなので、意識して伸ばすようにします。

4.自分にとっての正しいポジションを確認

バレエレッスン過程では、足のポジションよりも正しい姿勢で立つことの方を優先いたします。

無理に最初からポジションに拘りすぎて開くと、足の裏の重心が親指にのり、土踏まずが落ち、胸が反りかえり、お尻が出てしまう等バレエの基本姿勢とはかけ離れた格好になります。

まっすぐに立つことが出来たら、踵をつけたまま足の先を開いていきます。

チェックポイント

・つま先と膝の向きは同じか?

・骨盤の位置は正しいか?

・どちらかの足に重心が偏っていないか?

・1番ポジションは、徐々に足先を開いていきますが(角度は人それぞれ)足の裏全体で床がきちんと踏めているか?

腰が不均衡になったり土踏まずが落ちたりする格好で無理に頑張りすぎると骨の変形や筋肉のバランスも崩れ怪我もしやすく、歩くのも大変になることがあるので慎重に正しくやりましょう。

元々腰も足も開いている関節を持っている骨格の人もいますが、ほとんどの人は少しずつ訓練して開いていく必要があります。

子供の場合は8歳くらいまでに柔軟性と筋肉を鍛え、3番ポジションに立てるようにしますが、10歳くらいまでにはきちんと足の先を開いて5番ポジションに出来ることが肝心です。

重心は1番ポジションの腰のまま足先がポジションで変わっていく。

第1~第5全てのポジションで正しく体を保てることで、さらに自分の体を自由にコントローしていくバレエ動作のスタートポイントに繋がります。ここはしっかり確認しておきたいことです。

上達するコツは自分の骨格を知り無理なく、負担をかけずに少しずつコツコツと姿勢・ポジション共に完成形に近づけることです。

これが、バレリーナに近道はない理由であり、時間をかけての矯正美です。

5.健康のためにも正しい姿勢で立つ

バレリーナでなくとも美しい姿勢は相手に好印象を与え、健康面でも良いこと

そして学業面でも大切なことになります。

背骨は重要な神経の通り道です。

猫背では、肺が広がらない為、脳への酸素供給量か減りボーっとしやすくなります。

運動能力も落ち、自律神経が乱れるなどの弊害もあります。

重たい頭を支えるのに正しい姿勢が取れないと肩こりや腰痛の原因にもなります。

詳細はこちら

レッスン時間以外の姿勢はいかがですか?

大切なご家族の姿勢は、いかがでしょうか?

現在、文部科学省の推定調査によると、昭和60年ごろから子供の体力・運動能力の低下傾向が続くとともに、肥満傾向の割合が増加し、将来の生活習慣病への危険性が高まっていると言われています。

「家庭での子どもの生活習慣の改善家庭において大人も子どもも守るべき生活習慣のきまり(「毎日の朝食」「早寝早起き」「規則的な運動」「きちんした姿勢」など)をつくるなど、積極的に子どもの生活習慣の改善に取り組むことを促す。」             /文部科学省 ホームページより

西洋医学、東洋医学においても一昔前には無かったような、子供の怪我、病気も増えています。

それぞれの分野の専門家は、その原因を追究しつつ、子供をとりまく環境設定や方策、生活習慣の改善に具体的処置を行っております。

賛否両論ありますが、多くの人は政府や団体の方針をすぐに変える事は難しいと思います。

その間に子供は日々成長していきます。

だからこそ、小さなことでも家庭内で今すぐ出来る「きちんとした姿勢」から始めましょう!

子供は直ぐには出来ません、覚えるのは早いけど忘れるのも早い、継続も苦手、失敗にも気づかない事もあります。

子供は失敗しながら成長するものです。

出来なくても、忘れても、失敗しても、大人は怒る前に子供の手本になりましょう。

増田勇樹
MSD LABO Co.,Ltd
代表取締役

【資格】
理学療法士
健康経営アドバイザー
ルーシーダットンインストラクター

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